名曲喫茶ライオン2006/01/12

渋谷百軒店のクラシック名曲喫茶ライオン(昭和元年創業)。前から気になっていた。今日、はじめて足を踏み入れる。

入ったときは、ちょうど、店のほうで今月の新譜を選んでかける「コンサート」タイム。このときは、たいしたことないな、という感じだった。ところが、そのあと。すべて客のリクエストになったのだが、これがすべてすばらしい。巨大スピーカーの音響のよさのみならず、いい盤に通じている客層のすばらしさに感嘆した。巨大スピーカーからあふれてくるモーツアルトのレクエイムの合唱は、まるで天上に上っていくような心地。気がつくと僕は、斜め45度上方を向いたまま眼を閉じ、あんぐり口をあけていた。毛穴ひとつひとつから汚らわしさが抜けて、全身清らかになっていく。

2時間くらいで出ようと思っていたら、居心地がよくて、結局4時間くらい滞在。ちなみに、ホットコーヒーは¥500-。

店を出ると、まわりは、イカガワシイ店ばかり。百軒店から道玄坂に戻る途中、ピンクの看板のでている店の前でタクシーを飛び降りて、足早に店内に駆けていく20代の女性を何人も見る。この猥雑になっていく空間のなかで、あの名曲喫茶は、昭和元年以来、クラシック音楽とそれが奏でる聖性を守り続けているのだ。

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