ハンナ・アーレント ― 2005/08/31
川崎修『アーレント』を流し読み。アーレントは、ファシズムを、敵を生み出し続けることによって、永久に続行されていく運動と定義した、とのこと。特にナチスを念頭においているそうだけども、スターリンのやりかたや文革などを考えると、共産主義も、それ系なのだろう。
最近の政治情勢と、アーレントのいうファシズムが、妙に類似しているように感じて、少しコワイ。
たとえば、「対テロ戦争」。つねに敵を生み出し続けることによって永久に続行しようとすればできる運動かもしれない。また、ここ五年ほどの日本でも、いつも誰かがつるし上げられている状況がつづいているけれど、小泉政権は、そのつるし上げられたひとへの反感にうまくのって、支持を集めつづけているようにも感じる。どこまで、官邸が計算して仕組んでいるかは、ともかくとして。
※川崎修『アーレント』